第2回 自力で「捨てられない」原因(後編)

 前回に引き続き、典型的なホーダーのアイリーンを例に、ホーダーの症状や苦しみを紹介する。

 アイリーンは53歳、子供は2人、夫とは別居している。司書として働いた経験もあり、家の外での仕事ではホーダーらしさを見せないが、家の中はいわゆるゴミ屋敷状態だ。片づけを試みても、すぐに目の前の置いておかないと気がすまないため、まったくモノが減らない。

「いつか使うから」

 ホーダーの行動をさして、ガラクタを集めていると言われることがあるが、「ガラクタ」とは何だろうか。「役に立たないモノ・思い入れのないモノ」と言い換えることもできるだろう。しかし、ホーダーにとっては「役に立たないモノ」「思い入れのないモノ」などないのだ。

 すべてのものは〈いつか〉役に立つ、だから役に立たないモノなどないと考える。

 たとえば、アイリーンの家の2階の廊下は彼女が買ったモノが入った買い物袋でいっぱいだった。贈り物にするために買ったという。そうした買い物は店で受け取った紙袋に入ったまま何年も廊下に放置され、ガラクタの山となっていく。けれどもアイリーンは、これがホーディング行動の結果だとは考えない。贈り物を買いに行く時間がないときのために前もって準備しておいただけのことで、どれもいつかは使うのだと思っている。