「ポーテッジ(portage)」というのは、辞書を引くと「連水陸路」とひとことで訳されています。が、それだけでは何のことかイメージがつかみにくいでしょう。

 連水陸路とは、言い換えると、水と水を連ねる陸の道のことです。湖が無数にちらばるこの湖水地方では、湖から湖までをつなぐようにして道があります。また、急流や滝などを避けるようにして、難所を迂回する道もあります。その道のことをポーテッジと呼ぶのです。

冬毛に覆われたアカギツネ。雪原に、ネズミやライチョウなどの獲物を探し求める。身ひとつで生き抜いてゆく野生の動物たちは、なんとたくましいのだろう。(写真クリックで拡大)

 道といっても、舗装された道ではなくて、山登りのトレイルのような踏み跡です。大昔からこの地で狩りをして暮らしてきた先住民たちが、何世代も歩き続けて踏み固めたのです。

 この地方に存在するあらゆる湖が、ポーテッジで網の目のようにつながれているといっても過言ではないでしょう。

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