第4章 1921-1956 カラー革命と第一期黄金時代

第6回 シトロエンといえば車じゃなくて探検隊?

 1922年12月16日、10人の探検家を乗せてトゥグルトを出発した5台のハーフトラックは翌23年の1月7日に無事トンブクトゥに到着。北アフリカから西アフリカを短時間で移動できるとともに、探検に自動車が使えることをはっきりと世界に知らしめました。

 その模様は『ナショナル ジオグラフィック』1924年1月号の「自動車でサハラ砂漠を征服(The Conquest of the Sahara by the Automobile)」と題して紹介しています。

 このときはまだ距離が短く、装備も探検の内容もシンプルでした。ラクダを連れた砂漠の遊牧民との集合写真なんか、実にのどかな雰囲気です。

 ところが、2回目からはがぜん派手になります。次の舞台もアフリカですが、そもそもスケールがまったく違う。

「シトロエン中央アフリカ探検(Citroen Central African Expedition)」という計画で、探検隊の通称は「黒の巡洋艦隊(The Black Cruise)」。「ブラック・クルーズ」なんて名前からしてカッコいいですよね(ホントはフランス語だから“La Croisière Noire”ですけどね)。

 ハーフトラックが8台、メンバーは16人という編成で、そのなかには医者、画家、地質調査担当、動画撮影係、写真家、料理班、散髪係、楽器班もいました。トレーラーに水と食料とガソリンを積めるだけ積み込んで、それでも足りないために途中で80トン以上もの食料、燃料を要所要所にあらかじめデポしています。