第4話  JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語

その4  最後の「むかつくんですよ!」はよく覚えている

「ちょっと待って下さいよ。貴重なサンプルっておっしゃいますが、そのサンプルは研究のために取ってきたサンプルでしょ。研究もせず保存しておいたって何の意味もありませんよ。しかも研究を始める前から、何で拒絶されなアカンのですか? アナタは、微生物学者としてのボクの何を知った上で、ボクの研究を拒絶する根拠があるんですか? ボクはこのJAMSTECにいる微生物学者の中でも、おそらく微生物ハンティングではトップクラスの技術を持っていると自負してます。ボクのことをよく知らないからって、頭ごなしに否定されるのは、むかつくんですよ!」

ははは、よく言いましたね。こんなに理路整然と言ったかどうかは覚えていないけれど、最後の「むかつくんですよ!」は良く覚えている。

これまで「JAMSTECへの道」でずっと書いてきたように、多分ボクは、JAMSTECに来てからもずっと「JAMSTECは設備は超一流、でも人は三流」という当時の自分の中にあった斜め目線を、そこはかとなく出していたんじゃないかと思うんだ。京都大学ではみんなそういう感じで話していたし、ある意味自分の中でそういう色眼鏡が出来上がっていたのかもしれない。

自分では認めて欲しいとは思っているくせに、JAMSTECの人達に対して虚勢を張ってそういう風に斜めから見ていたのかもしれない。それがおそらく、何となくなじめない距離感を作りだしていたんじゃないかと思う。