第4話 JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語
その4 最後の「むかつくんですよ!」はよく覚えている
なのに、その女性達はみんな反応が異様に冷たく、表情がぎこちなく、むしろ困惑しているのだ。まるでキャッチセールスのセールスマンにつかまったかのように。当時その現場にいた女性研究者の一人は、現在もボクの同僚として働いているが、彼女に当時の真相を追究すると、「なんか、ギトギト来る感じがうざかった」と証言する。真実はともかく、ボクはそのランチタイムに直感した。
「これか? やっと来たか? これが本当の関東人による関西人いじめか? オレの隠しても隠しきれない京都人のはんなりさがジャンジャンと五月蠅い神奈川県民に鼻持ちならないのか?」と。
それは全く違うぞ。
としても、やはりポスドク研究者というのは、できうる限りソッコーに自らの「できるヤツ」ぶりをアピールしなければならないとボクは感じていた。人間というのは多かれ少なかれ先入観に縛られる生きものよ、という面がある以上、ある程度最初にハッタリをかましておくと、しばらくの間、かなりの自由度やポジションで立ち回れるというのは、ヤンキー社会における鉄則だ。とヤンキー友達から学んで知っていた。
何か「深海熱水環境の微生物の多様性」以外の研究を早急に立ち上げなければ。
「青春を深海に賭けて」最新記事
バックナンバー一覧へ- 祝!『微生物ハンター、深海を行く』刊行 番外編
- カリブ海からオラ、コモエスタス?
- 第7話(最終話) 新たな「愛と青春の旅立ち」へ
- 最終回 宇宙の深海をめざして
- その6 プレカンラボ、絶滅の危機
- 第7話(最終話) 新たな「愛と青春の旅立ち」へ
- その5 プレカンブリアンエコシステムラボ、誕生
- その4 ボク好みのナイスガイを探して
- その3 「人類究極のテーマ」に挑むための作戦会議
- その2 ボクの熱意とジタバタだけではどうしようもない問題
- その1 ワタクシのセンチメンタル・ジャーニー
- 第6話 JAMSTECの拳―天帝編―
- その8 無我夢中のどん欲無節操ゴロツキ研究集団
- その7 オールジャパンをぎゃふんと言わせる6つの策略