第4話  JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語

その4  最後の「むかつくんですよ!」はよく覚えている

困り果てたボクは、JAMSTECにやってきたばかりの初々しい新人だったはずなのにも関わらず、「ワシは、深海熱水域に潜りたいんや! そのためにJAMSTECに来たんや!」といろんな人にダダをこねたようだ。そうすると、多くの人の好意で、1998年の春に決定されていた「しんかい2000」による「伊豆・小笠原水曜海山熱水フィールド」調査や「沖縄トラフ伊平屋北熱水フィールド」の調査に乗船させて貰えることになった。

また、乗船できずとも1997年の秋に採取された「沖縄トラフ伊平屋凹地熱水フィールド」の新鮮なサンプル、1998年の春に行われる「伊豆・小笠原明神海丘熱水フィールド」の新鮮なサンプルを分けて貰えることになった。

ヨッシャー。とりあえずこれで、なんとか「思てた研究」ができそうだと目処がついてボクはすこし安堵した。しかし、冷静になって考えてみると、その研究に着手し、ある程度まとまった結果が得られるのは、まだ半年以上先のことだ。その研究以外に、まだJAMSTECで「誰? あのうるさい関西人?」としてしか見られていないボクが、ナニモノかであることを示す必要があると感じていたんだ。

そんなある日、ボクはJAMSTECの食堂で昼食を食べようと席を探した。微生物研究系のグループに所属する若い女性研究者達の隣が空いていたので、その場に座り、いろいろおしゃべりをして場になじもうとした。ワタシの記憶が正しければ・・・、決して「キミ、きゃわうぃーねー!」的なノリで話したつもりは一切ない。