第5回 ヒトの進化はアフリカ限定だった!

「この「絵」というのは、実は人類の進化をなぞった形でできたものなわけですね。アフリカ人に変異が多いのは、現生人類が15万とか20万年前ぐらいからずっとそこに住んでいるから。それ以外に変異が少ないのは、みんな6、7万年前に飛び出した少人数の人たちの子孫だからなんだと結論できるわけです。もっと言うと、アフリカだけで人類(ホミノイド)が進化しているんですよね。それで、アフリカを出てアジアに来たジャワの原人などは、100万年間ぐらいあんまり形が変わらなかったんですよ。ところがアフリカでは、どんどん変わっていって、しまいには解剖学的に現代人と変わらないやつも生まれてくる。だから、常にアフリカが新しい人類を生むホームグラウンドになっていたんです。そして、最後に飛び出したのが、今の我々の先祖です。このアフリカの奥の深さというか、バリエーションの大きさというか──」

 実に、アフリカは特別! という思いを新たにするのだった。

 様々な話題が出たジェットコースターのような対話の最後に、こんなことを聞いてみた。

 篠田さんが、インカのミイラについて研究を始めたのは、個人的研究史の中では比較的最近だ。ある時、誘われて(いきなり航空券か送られてきて!)南米ペルーに渡ったことがきっかけで、「ずるずると」研究分野が拡大した。こういった「偶然」が、篠田さんの研究自体にどんな影響を与えただろうか、と。

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