第5回 ヒトの進化はアフリカ限定だった!

「アフリカ人以外のミトコンドリアDNAで同じ系統樹を書くと、6万年とか7万年前に共通祖先がいることになるんです。とすると、現生人類の祖先というのはずっとアフリカにいて、わりと最近、ポンとごく少数が飛び出していって、残りの世界の人たちになったんだということが、シナリオとしてわかるわけです」

 つまり、「アフリカ人以外のミトコンドリア・イヴ集団」みたいな共通祖先グループが想定でき、それは6、7万年前に起源があるということだ。言葉を換えれば、この時期に少数のグループが「出アフリカ」を果たし、その後、世界中に広がった、というのが篠田さんのいう「シナリオ」である。

 こういったことを、世界各地で調べることで、もっとスケールの大きな現生人類の拡散「シナリオ」が描ける。それについては、正直、ここで詳述するのは難しい。いかに「紙幅」を気にする必要がないウェブとはいえ、込み入りすぎている。興味のある方は、篠田さんの著書、『日本人になった祖先たち──DNAから解明するその多元的構造』(NHKブックス)をぜひ読んでいただきたい(タイトルから分かるように、人類拡散のシナリオだけでなく、特に日本人の起源について詳しく描かれている)。

 その上で、「現生人類拡散のシナリオ」の中で、ひとつ強調しておきたいのは、「アフリカが特別である」ということだ。