第4回 ミトコンドリアDNAでわかった人類の歴史

 現生人類ホモ・サピエンスはアフリカで生まれた、という説が有力だ。たぶん、確定的と言ってよい域に達している。

 現生人類であるぼくたちの祖先は、アフリカから中東経由でユーラシア大陸へ進出し、さらにはベーリング海峡を渡って北米大陸に到達、さらにパナマ地峡を通過して、南米大陸を南下し、最終的に南米最南端マゼラン海峡地域にまで至った。

 まさに大いなる旅路だ。ぼくとしては、ここにさらに、南太平洋の民族移動を付け加え、今から800年前になって、やっと人類が発見、定住した大きな陸地、ニュージーランドを「旅の終わり」に位置づけたいのだが(居住していたこともあり、思い入れがあるのです)、一般には、南米の最南端が終着点として理解されている。

 篠田さんのミイラ研究は、南米アンデス地域であり、つまりは、この大いなる旅の終着点付近だ。もともとの研究の最大のテーマである「人類史」の中で最後のハイライト部分と言える。

 では、その終着点から、篠田さんの研究を通じて、人類史を振り返るとどうなるだろう。