第4話  JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語

その3  JAMSTEC初出勤で放置プレー

「そうだ、ボクはまだJAMSTECではナニモノでもない。ちょっとした自信と実績でいい気になっていたけど、そんなチンケな自分を認めて貰おうと思っているようじゃダメダメだ。いつだって、超ナマイキな自分の存在を、行動と結果によって認めさせてきたんじゃないか。よっしゃー、カトー! 今の言葉を3年後まで覚えとけよ! 絶対、見る目がなくてすみませんでしたぁぁぁ、と言わせてやる」

ある意味カトーさんのおかげでボクはいつものボクに戻れた。そして、なんとなく自分にとっての新しい環境であるJAMSTECでの生き方が決まったような気がした。そうと決まれば、自分がナニモノかであることを示す示威行動を起こすのみだ。その日からボクのJAMSTEC新人ポスドクびんびん物語が始まった。

つづく(次回、「最後の「むかつくんですよ!」はよく覚えている」)

高井 研

高井 研(たかい けん)

1969年京都府生まれ。京都大学農学部の水産学科で微生物の研究を始め、1997年に海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者に。現在は、同機構、深海・地殻内生物圏研究プログラムのディレクターおよび、プレカンブリアンエコシステムラボラトリーユニットリーダー。2012年9月よりJAXA宇宙科学研究所客員教授を兼任。著書に『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』(幻冬舎新書)など。本誌2011年2月号「人物ファイル」にも登場した。