第4話  JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語

その3  JAMSTEC初出勤で放置プレー

今から思うと、このカトーさんのセリフは、どういうつもりで言ったのかは別として、すごく重要な、確かにポスドク研究員に対して最初に言っておくべき大事なセリフだと思う。これをちゃんと伝えておくことは、ポスドク研究員としての「覚悟」を確認する必要不可欠な「通過儀式」だと思う。

しかし、当時の青臭いボクには、「別にキミなんか必要ないからね。やりたい研究だけやって、とっとと出て行ってくれ」というニュアンスにしか受け取れなかった。

確かにボクはまだ博士号取りたてのひよっこでしかなかった。だけど、既に6本近くの研究論文を国際誌にて発表もしくは受理されていたし、プロの研究者として自分なりの自信とプライドを持って、そして京大の出身研究室の看板を背負って、このJAMSTECにやってきたんだ。

そのプライドに砂をかけられたようなセリフに、ぶちまけようのない怒りを覚えながらも、ボクは久しぶりに心の奥底から湧き上がってくる何か熱いエネルギーを感じてもいた。ここ数日、ホームシック気味でヘタレぶりを発揮していたボクだが、このカトーさんの言葉を聞いて、ハッキリクッキリと認識し直したんだ。