第4話  JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語

その3  JAMSTEC初出勤で放置プレー

ボクは望まれてここにいるわけではない

タバコを吸っていると、いろんな人がやってきたが「チラリ」とボクを一瞥するだけで、以後「話しかけんな!」的ムードを漂わせ、とても話しかけられるような雰囲気ではなかった。そして時間が経つにつれ、ボクはだんだんむかつき始めていた。

「何だ、このいきなりの放置プレーは。もしかして、これが噂の関東人による関西人いじめか? オレの隠しても隠しきれない京都人の気品が関東人に鼻持ちならないのか? 関東恐るべし! 早速アメリカより遙かに巨大なカルチャーギャップを味わわせてくれるとは」

と、かなり間違った方向の被害者意識に囚われ始めていた。

そんな時、通勤バスが到着して人がゾロゾロと建物の中に入ってきた。ボクはその中に、知っている女性研究者の顔を見つけた。藁にもすがる思いで、彼女に声をかけ、「今日からよろしくお願いします」と挨拶した。

彼女は、「今、南イタリアでマリンバイオテクノロジーの国際会議をやっているから、カトーさんをはじめ、リーダークラスの人は誰もいないよ。そもそもタカイさん、なぜイタリア行かなかったの?」と言った。