「歯は、おおむねカルシウムのアパタイト(リン酸カルシウム)ですから、それを落としてやって、さらに、たんぱく質を落としてやって、最後に残るのがDNAっていうふうに、DNA溶液を抽出しますよね。私が分析してるのはミトコンドリアDNAなので、ミトコンドリアDNAを増幅するよう、PCRにかけて見る、と。もちろん、将来的には核DNAも一緒に分析することを考えてます」

 篠田さんの研究室の実験室には、DNAを分析するための一連の装置が揃っている。とりわけ重要な「PCRにかける」について簡単に。

(写真クリックで拡大)

 PCRとは、DNAの特定の部分を選んで複製し、分析するのに充分な量になるまで増やすための技術だ。篠田さんが扱っている昔の人骨(歯)にはわずかしかDNAが残されていないことが多い。それを、PCRによって分析可能な量に増やすことができる。PCRは、分子生物学的な研究ジャンルそのものを開拓してしまったほどの衝撃をもたらした手法で、開発者はノーベル化学賞を受けている。篠田さんの研究室にも当然ながら、PCRの装置がゴロゴロ転がっている。

 とりわけ、印象的だったのは「クリーンルーム」にPCRをはじめとする、分析のための機器が備え付けられてる一角だ。

 その理由は……

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