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ナショナル ジオグラフィック日本版 2012年3月号

超国際都市 マルセイユ

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  • 地中海に臨む港湾都市マルセイユ。紀元前600年まで遡る長い歴史を通じて、多様な民族を受け入れてきた。85万人余りの人口のうち、およそ10万人は北アフリカやイタリア、トルコなどからの移民とその子孫だ。
  • マルセイユの凱旋門、エクス門が建造されたのは1823年。現在では多くの移民が集まるスポットだ。フランスは、自国民の中に人種や民族の違いが存在することを公には認めていない。しかし西ヨーロッパ有数の多様性あふれる街であるここマルセイユで、人種や民族の違いを無視することは不可能だ。実際、マルセイユ市当局は多文化主義を積極的に受け入れている。例えば、ユダヤ教、キリスト教、仏教、イスラム教の指導者たちの緩やかな連携組織「マルセイユ・エスペランス(マルセイユの希望)」のようなグループを承認し、とりまとめている。こうした組織の協力により、フランス各地で民族問題を背景とした暴動が生じている時でさえ、マルセイユはおおむね平穏を保っている。
  • 公園では、若者たちがたばこをふかしたり、パスティスというリキュールを飲んだりしながら、ボール遊びの「ペタンク」に興じる。金属製の球を投げ、小さな木製の球にできるだけ近づける、南仏の遊びだ。
  • カフェに行けば、マルセイユの刺激的な人間模様が見られる。この街は長年、アレクサンドル・デュマをはじめとする作家たちを魅了し続けてきた。彼らは街の粗削りな雰囲気をブイヤベースと共に味わい、この街の物語をつむぐのだ。
  • 街の中心部のすぐ南にあるボレリー海岸では、人種の異なる高校生たちが地中海の太陽を浴びている。マルセイユが誇る公共の海辺は、街のどこからでもバスで簡単に行ける。砂浜や海という共有スペースはまさに人種のるつぼであり、特に若者の姿が多い。「大事なのは肌の色じゃないわ。楽しむことよ。そして、最高に楽しめる場所の1つがビーチなの」と、18歳のジョアナ・ガルシアは言う(後列右から2人目、青いストライプ模様のビキニを着た女の子)。彼女の祖父母はスペインからの移民だ。「私たちは違いなんか見ない。みんな平等と思うし、肌の色や出身なんて全然気にしないわ。楽しむことが何よりも大切なの」
  • 公共の場で顔を完全に覆うベールの着用を禁じたフランスの新しい法律について、メディアでは議論がかわされているが、マルセイユでは、イスラム教の家庭に育ちながらもフランス文化にうまく溶け込んだ若者をよく見かける。例えばこの写真の女性、ナビラ・ブジェラルも非常に現代的なイスラム教徒の1人だ。31歳のアルジェリア系の彼女は、間もなくスタイリッシュな結婚式を挙げる予定。女友達と一緒に、ダウンタウンのメリーゴーランドを楽しんでいる。
  • マルセイユでは、移民の生活圏はこのノアイユ地区など中心部に集中している。パリでは大半の移民が遠い郊外の公営住宅に暮らす。
  • 市の中心部にあるサン・シャルル駅で、チュニジア出身の移民(左)が出迎えの親戚を待つ。撮影日は2010年9月。チュニジアやエジプトで「アラブの春」と呼ばれる騒乱が広がる数カ月前だ。この男は、欧州に活路を求めて、同胞よりも一足先にマルセイユ入りした。
  • チュニジアの貧困と暴力を逃れ、新天地マルセイユにやって来たものの、見知らぬ人々の厚意に頼りホームレスの生活を送るほかにすべのない人々。地元のイスラム教徒や左翼系活動家たちが、エクス門の近くで食料や衣類などの支援物資を配っている。
  • カトリック教会のサン・バンサン・ド・ポール前の通りを行く人々。この街は多彩な移民の都だ。新参の移民もこの街に「やって来たとたん、自分はマルセイユの人間だと思うようになる」と、ある住民は話す。
  • サン・ピエール墓地で葬儀に参列するユダヤ教徒。マルセイユに住むユダヤ人は7万人程度とみられる。ユダヤ教徒もイスラム教徒も「話すときは言葉を選ぶ」と、ユダヤ教の指導者は言う。「マルセイユは火山のようなもの。不用意な発言をすれば(対立が)火を噴きかねません」
  • 金曜礼拝の終了後、伝統的な服と帽子を身につけたコモロ諸島系の男たちが友人を待っている。そのすぐそば(明らかに別グループだが)には、同じくイスラム教徒のマグレブ諸国出身者たちがいる。彼らは皆、同じ宗教を信仰しているが、マルセイユに住むコモロ諸島系、アルジェリア系、チュニジア系、その他のイスラム教徒たちの間には、深い溝がある。「イスラム教徒のコミュニティーに、文化的なまとまりはありません」と述べるのは、エクス・アン・プロヴァンスの国立科学研究センターで研究ディレクターを務めるフランソワーズ・ロルセリーだ。「彼らは同じ地域で生活していますが、言語も違えば、服装も異なります。お互いに親密ではありませんが、衝突するわけでもありません」。しかし、世代が若くなるにつれ、文化的な分裂はなくなる傾向がある。
  • マルセイユ北部のガイヤール通りに面したモスクでは、金曜礼拝に集まった信徒が裏の路地にまであふれる。市内ではモスクなど礼拝所の新設が進むが、それを上回るペースでイスラム教徒の人口が増えている。
  • イスラムの犠牲祭「イード・アルアドハー」の時期、マルセイユ市内のムスタファ・スリマニ食肉市場で、羊の解体を見守る親子。羊を一般家庭で解体することは法律で禁じられているが、イスラム教徒の家庭では、今でも多くの羊が儀式のために解体されている。
  • コモロ諸島出身のイスラム教指導者マウラナ・シャリフが、公営住宅プラン・ダウの自宅で娘たちとくつろぐ。この一帯は移民が多く、治安が悪い。シャリフは自分が暮らすことで地域に安定をもたらしたいという。
  • かつては治安の悪い、いかがわしい地域だったクール・ジュリアンは、カフェやバー、書店が密集するおしゃれな界隈だ。しかし昔から政治的腐敗や集団による暴力、麻薬の密売で悪名高いマルセイユは、今でも犯罪問題に悩まされている。

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