フランス最古にして最大の港湾都市マルセイユ。世界中から移民が流入し、さまざまな宗教や文化が交錯する街は、多民族共生のモデルとなるか。

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超国際都市 マルセイユ

フランス最古にして最大の港湾都市マルセイユ。世界中から移民が流入し、さまざまな宗教や文化が交錯する街は、多民族共生のモデルとなるか。

文=クリストファー・ディッキー  写真=エド・カシ

 85万人余りの人口のうち、およそ10万人が移民とその子孫であるマルセイユ。紀元前600年ごろにフェニキア人によって建設されて以来、この街にはアルメニア人、イタリア人、ユダヤ人など、さまざまな民族が流入してきた。近ごろでは、移民の多くをイスラム圏の出身者が占める。

 中東で混乱が続くなか、社会の秩序を保つのは簡単ではないが、マルセイユは奇跡的に平穏を保っている。1991年の湾岸戦争のときには、地元のイスラム教の指導者たちが他の宗教の指導者たちと話し合って沈静化に努め、騒ぎは起きなかった。2005年にフランスの多くの都市で移民の暴動が起きたときも、この街のイスラム教徒は冷静だった。

 マルセイユは、多民族共生の理想を体現したモデル都市と言えるのだろうか。

編集者から

 マルセイユには、ユダヤ教、キリスト教、仏教、イスラム教の指導者が集まる「マルセイユ・エスペランス」という組織があり、市と協力して暴動や騒乱を未然に防いでいるそうです。行政がそうした取り組みをできるんだというのが、私にとっては新たな発見でした。

 日本でも、多民族共生について真剣に考えなければならないときが来るかもしれません。そのとき日本は、どんな方策をとるのでしょうか。今月号の「写真は語る」を編集していて、そう感じました。(編集T.F)

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