第18回 イリーへ

 いよいよ水曜日の朝。イリーに向けてドライブの日。

 グレッグの車はやっぱりといった感じで、彼の慎ましい生活とお似合いの、燃費の良い小型の日本車でした。

 アメリカに着いたときから、街中を走るアメ車やピックアップ・トラックの巨大さに圧倒されていたので、この「ブルーベリー号」と名付けられた青色のホンダ・シビックは、まるでおもちゃのようにちいさく感じました。

 大きなリュックを荷室につめこみ、助手席に座ると、さあ出発。

 丘の上のホステルから走り出すとすぐ、海のように広いスペリオル湖が東のむこうに見えました。

 雲間から注ぐやわらかな朝の光。それを受けて、きらきらと輝く湖面を遠くに望みつつ、湖畔沿いに北東へ延びる高速ハイウェイへ。

 ブルーベリー号は時速100キロを超え、若々しい緑の葉をつけたシラカバの白い幹が、ハイウェイの両側に広がる土手の上を、飛ぶように流れていきます。

北米最大の陸上動物、シンリンバイソン。最大体重は1トンを超え、肩の高さは2メートルにもなる。雪の下に埋もれた草を食べながら、厳寒の森を歩き続ける。
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