第3回 「誰にでも自分を変える能力がある」

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 でも、例外もありますよ。リオデジャネイロ、モントリオール、カラカス、アブダビは4回、中国で2回、それにカタールは命綱なしでも許可が下りました。

 おもしろいことに、先進国では命綱なしでは許可が下りないのに、途上国では命綱なしでも許可の下りるところが多いですね。 

 その国が独裁的であったり、紛争を抱えてたりすると、生きていくこと自体にリスクがあるから、命綱なしでビルに登るような危険を伴う行為も許容されやすいのかもしれない。

 逆に、民主的で自由が保障されているはずの先進国では、命綱なしが嫌われる。実は自由がないんです。

――冒険の受けとめ方にもお国柄があるとはおもしろい。もう少しそこを聞きましょう。

つづく

アラン・ロベール(Alain Robert)

1962年、フランス生まれ。11歳でクライミングを始め、94年にシカゴのシティバンクビル(187m)を皮切りに世界の高層建築物への登頂を開始。96年エッフェル塔(313m)、97年シドニー・タワー(305m)などを制覇し、99年には当時世界最高のシカゴのシアーズ・タワー(442m)の登頂に成功した。1998年には新宿センタービルを登り、逮捕されている。2004年、台湾の台北101(509m)が世界最高記録を更新するとすぐに登頂。2010年には命綱なしに100以上の高層建築物を登ったとしてギネスブックに登録され、2011年に世界最高のビルであるドバイのブルジュ・ハリファ(828m)を登りきり、この記録もギネスブックに登録された。同年、世界の冒険者や挑戦者を表彰する「ファウストA.G.アワード」のファウスト挑戦者賞を受賞している(受賞式スピーチの動画はhttp://www.faust-ag.jp/quest/quest025/ )。


高橋盛男(たかはし もりお)

1957年、新潟県生まれ。フリーランスライター。自動車専門誌の編集を手がけたのちフリーライターに。JR東日本新幹線車内誌「トランヴェール」、プレジデント社「プレジデント」「プレジデントファミリー」などに執筆。