第17回 手書きの絵地図 後編

 その赤い点線は、カヌーで旅ができるルートを示しています。

 <水路か……>

 試しにどこに続いているのか辿ってみると、赤い点線は細長いムース湖を北上し、両岸がくっつきそうなほど張り出した岬の隙間を抜け、すぐにカナダとの国境に出ました。

 そこからは国境沿いに東西にルートが分かれています。

 ぼくは、イリーに向けて西に進むことにしました。

 その先に広がるバスウッド湖は、アメリカとカナダの両方にまたがり、まるでタコの足のように入り江が複雑に伸びています。

 迷路のような水路を抜け、南へとせり出した入り江から南西にずっと下りていくと、イリーにほど近いフォール湖という湖に出ました。

 ということは……イリーからフォール湖までいくことができれば、そこから先はムース湖まで、カヌーで旅をしていく事も可能だということでしょう。道路を歩くよりは、ずいぶん遠回りになるけれど。

きびしい寒さに、大きな湖さえ凍りつく。さざ波に揺れていた湖面は、堅い氷の大地へと生まれ変わる。
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