第1回 「でも、恐怖という感覚は悪くない」

――前回、東京に来られたのは1998年。新宿センタービル(223m)に無許可で登頂して逮捕され、5日間拘留されたとか。

 いえ、9日間です。フランス大使館が介入して釈放されたのですが、そのときは僕のせいで、日仏の外交関係を少し悪くしたかもしれませんね(笑)。

――ロベールさんは、1994年に登ったシカゴのビルを皮切りに、高層建築物の登頂に挑戦し続けています。何をおいてもお聞きしたいのは、なぜこれを始めたかです。

 そもそもは僕のアイデアではないんです。1994年にスイスのある時計会社から、僕のドキュメンタリーを撮りたいというオファーがあった。ところが、ディレクターが通常のロッククライミングではなく、ビルに登らないかといい出した。それがきっかけでした。

――人工物であるビルに登ることに抵抗はなかったのですか。

 とくに抵抗はありませんでしたね。

――で、最初にシカゴのビルに登ったときに、何か強く惹かれるものがあったのですか。

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