第3話  JAMSTECへの道 後編

その5  僕はキミの目がとても気に入っている

ボクの大好きな映画に「フォレスト・ガンプ」という映画がある。有能で成功することを至上とする米国社会において、知能指数が人並みに至らない主人公フォレスト・ガンプが、努力と幸運によって成功していく物語である。とても愉快なタッチなのに、笑った後に少しもの悲しくホロリとさせられるいい映画だ。

映画のキャッチフレーズにもなった、フォレスト・ガンプの母親の言葉「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない」の意味がラストシーンで語られる。

ボク達にはみんな、運命があるのだろうか? それとも風に乗って舞う白い鳥の羽のようにたださまよっているだけなのだろうか?

フォレスト・ガンプは、たぶん二つ同時に起こっていると答え、映画は終わる。

ボクとJAMSTECの繋がりも、たぶん二つ同時に起こっていたように思うんだ。

第3話 JAMSTECへの道 後編 おわり
次回、「第4話 JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語」へつづく

高井 研

高井 研(たかい けん)

1969年京都府生まれ。京都大学農学部の水産学科で微生物の研究を始め、1997年に海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者に。現在は、同機構、深海・地殻内生物圏研究プログラムのディレクターおよび、プレカンブリアンエコシステムラボラトリーユニットリーダー。2012年9月よりJAXA宇宙科学研究所客員教授を兼任。著書に『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』(幻冬舎新書)など。本誌2011年2月号「人物ファイル」にも登場した。