第3話  JAMSTECへの道 後編

その5  僕はキミの目がとても気に入っている

「うそー。ほんまに? そんなこと言った? 俺ってJAMSTECに行きたがってるの? ハハッ」

「ハイハイ、言うてます。完璧に」

「えー、JAMSTECに行きたがってるかなー? ほんまかなー? あのJAMSTECに?えーそれはないやろ? ハハッ」

「イエイエ、言うてました。最初から」

これじゃ、まるで漫才にしか聞こえない。妻は、アメリカに旅行した時ぐらいからずっとボクがJAMSTECに行きたがっていたし、最初から何も決断が変わっていないと言った。その言葉を聞いて、ボクはようやく自分で気がついた。そうだ、ボクはいつからかJAMSTECに行きたいと思い始めていたんだと。

彼女はボク以上にボクのことがわかっていた。「給料、待遇、安定した将来性・・・」みたいなくだらないことを口にする「ボクの言葉」ではなく、「ボクの目」が望んでいることを最初からわかっていたんだ。そして、ボクの背中を押してくれた。