第3話  JAMSTECへの道 後編

その5  僕はキミの目がとても気に入っている

腹の据わっている今日のボクは思わず「掘越先生が血の通わない遺伝子配列だけの情報に興味がないのは分かります。でも、もし掘越先生の興味がなくても、これはまずJAMSTECが世界に先駆けて絶対にやらないといけない研究なんです! ボクはずっとそう思ってきたんですよ」とやや掴みかかるような勢いで語った。

堀田さんは少し焦ったような顔をして、場をとりなそうと動いた。その時ジッと睨みを利かせていた掘越先生が口を開いた。

「キミのような若者から、そういう話が聞けるとは思わなかった。そうか、それが重要だと思うか」

ボクはさらに畳みかけようとした。それを掘越先生は手で制した。そして、

「僕はキミの目がとても気に入っている。僕のような年寄りになると目を見ればだいたいわかるんだよ。キミのことはすべて目をみればわかる」といってニヤリと笑った。堀田さんがホッとした顔でソファーに座り直した。