第3話  JAMSTECへの道 後編

その5  僕はキミの目がとても気に入っている

朝起きたときから、「面接の最後に、いさぎよく断りの返事をしよう」と決心していた。そして、新橋にあったJAMSTECの東京連絡所のドアをノックした。

そこには、現在JAMSTECの理事をしている堀田さんとあの「怖―い」掘越先生がいた。しかし、もはや決心しちゃったボクは怖じ気づいていなかった。堀田さんが「キミはJAMSTECに来たらどういう研究がしたいのですか?」と通り一遍の質問をした。

ボクは、自分でもびっくりするぐらいペラペラと、そして熱く、その動機や研究について語った。

よく考えれば当たり前だ。ボクはアメリカのあの国際学会のクリスタ・シュレパーのポスターの前で、「なんとしてでも世界の誰よりも早く深海熱水の未知の微生物の多様性を明らかにしたい」と心に火をつけたんだ。

その情熱はずっと熱いままだった。一通りしゃべると、掘越先生が一言つぶやいた。「うーん、深海熱水の微生物の多様性ねぇ」。なんとなく気にくわないような感じだった。