第3話  JAMSTECへの道 後編

その5  僕はキミの目がとても気に入っている

そしてそのグッタリした気持ちのまま、希望先研究室を訪ねた。そこで、二次審査というのはほとんど形式的なもので、審査はほぼ一次審査で終わっているということを聞いた。つまり二次審査というのは、これから一緒に働く研究室のボスやメンバーと顔合わせをしなさいという意味合いが大きいのだということを。ボクは多分合格していると言われた。

でもその時、何故かあまり嬉しさを感じなかったんだ。そして、おそらく10月から一緒に働く可能性が高い研究室の人たちに挨拶した。その研究室は、すこし京都大学の研究室と雰囲気が似ていて、とてもアットホームな感じのする、親しみやすい人たちばかりだった。しかし、相変わらず心は晴れなかった。

研究に関する議論をしているときの、何となく噛み合っていない不完全燃焼のような感覚。自分の情熱が空回りしている感覚。そういう何か直感的な感覚が、「合格している」と言われた時の喜びを激しく阻害していた。

確かに給与や契約期間の長さなど、待遇は凄く良かった。研究室の雰囲気も良かった。それに、契約終了後の正規職員への昇格可能性についてまでかなり肯定的な話をしてもらった。その帰り道、ボクはいろんな好条件を何度も頭の中で暗唱しながら、できるだけ理性的に決断しようと努力した。そして理化学研究所に行こうと決めた。にもかかわらず、ボクのグッタリした気持ちは晴れないままだった。

そして次の日、ボクは因縁のJAMSTECの面接に向かった。