第11回 田邊優貴子「氷の海で魚釣り」

少しツヤツヤでピンクがかった色をしているウロコギス。(写真クリックで拡大)

 ん?私の戦績?
 聞いて驚くなかれ、ドドーンと小さめの魚が1匹ほど・・・。

 ええ、ホントに驚きのたったの1匹でした・・・が、少し寂しいものの、なんとか面目は保たれたような気がしました。みな最低1匹は釣り上げている中、もしも収穫ゼロだったら私はしばらく落ち込んで、南極で引きこもりになっていたに違いありません。

 この周辺の魚はほとんどがノトセニア亜目の仲間。
 今回2日間で釣れたのは、ショウワギス、ボウズハゲギス、ウロコギス、キバゴチ、謎のショウワギスもどきの魚でした。
 仕掛けたトラップには、ヒモムシとクモヒトデが引っかかっていました。

 それにしても南極海の水温は年間とおして、なんとマイナス1.8℃。
 いやはや、彼らがそんな氷点下の冷たい水温でも生きていけるなんて、本当に驚きですよね。

この辺で一番よく釣れるショウワギス。(写真クリックで拡大)
クモヒトデ。ひっくり返ると口が星形をしているのが分かった(写真左上の個体)。(写真クリックで拡大)

2012年1月9日 昭和基地にて

渡辺佑基

渡辺佑基(わたなべ・ゆうき)

1978年、岐阜県生まれ。国立極地研究所生物圏研究グループ助教。世界の極地を飛び回り、データロガーを駆使して主に極域に生息する大型捕食動物の生理生態および種間比較を研究している。2011年「動物の泳ぐ速さを決めるサイズ効果を発見」(J. Anim. Ecol. 80, 57-68 (2011))が『Nature』の「News&Views」に紹介された。同年、学術分野全般で優れた実績を積み上げた人に贈られる山崎賞を受賞。

田邊優貴子

田邊優貴子(たなべ・ゆきこ)

1978年、青森市生まれ。2006年京都大学大学院博士課程退学後、2008年総合研究大学院大学博士課程修了。現在は、早稲田大学 高等研究所・助教。植物生理生態学者。博士(理学)。
小学生の頃から極北の地に憧れを抱き、大学4年生のときには真冬のアラスカ・ブルックス山脈麓のエスキモーの村で過ごした。それ以後もアラスカを訪れ、「人工の光合成システム」の研究者から、極地をフィールドにする研究者に転身する。
2007~2008年に第49次日本南極地域観測隊、2009~2010年に第51次隊に、2011~2012年に第53次隊に参加。2010年夏、2013年夏に北極・スバールバル諸島で野外調査を行うなど、極地を舞台に生態系の研究をしている。
ポプラビーチでエッセイ「すてきな 地球の果て」連載中
http://www.poplarbeech.com/chikyunohate/005708.html