第11回 田邊優貴子「氷の海で魚釣り」

釣り竿やトラップ、えさなどの採集器材を橇に積み込み、釣りポイントに向けて、いざ出陣。(写真クリックで拡大)

 ワカサギ釣りのように簡単に氷に穴をあけられると思ったら大間違い。この夏の時期、東オングル島周辺の海氷の厚さは約3m。場所によっては4m以上もあり、さらにその上に厚さ1mほどの雪が積もっている状況です。

 一般住宅の2階以上の高さを想像してみてください。そこで、アイスドリルという機械を使って、この分厚い氷に直径25cmの穴をあける作業がかなり大変になってきます。

 4年前にも同じように分厚い海氷に穴をあけて、依頼されていた魚類サンプリングの作業をしたことがあります(湖沼調査の際にももちろん同じ方法で湖氷に穴をあけますが、氷厚が海氷ほどではありません)。
 何人かで釣りをしようと思えば、人数の1.5倍以上の穴をあけなければなりません。さらには直径35cmの網かご型トラップを仕掛けようと思えば、穴を4個以上連結させてくり抜かねばなりません。

 それはそれは、とても骨の折れる作業です。

 今回の釣りポイントは東オングル島の西側にある「西の浦」という湾。半日かけてアイスドリルでの穴あけ作業をし、無脊椎動物を採集するためのトラップを仕掛け、魚釣り大作戦が始まりました。