第11回 田邊優貴子「氷の海で魚釣り」

キバと頭の上のツノ、出っ張った下顎が特徴的なキバゴチ。(写真クリックで拡大)

 1月上旬、昭和基地に2泊しました。
 例年ならば、南極滞在中は野外調査に出ずっぱりで、途中で昭和基地に入ることなどない私ですが、今回こうやって2泊したのには理由があります。

 それは・・・魚釣りをするためです。
 あ、でも勘違いしないでくださいね。釣り=遊びではありません。

 連載第8回で紹介した同じパーティーのメンバーである秋吉英雄さんは、魚類など海洋生物の内臓の形態から進化を研究している人です。そのため、昭和基地がある東オングル島周辺の海から魚類および無脊椎動物を採集することを目的に、短期間ですが昭和基地に滞在したわけです。

 南極での釣りは、単に海に出て釣り糸を垂らせばよいという簡単なものではありません。

 何よりも大変なのは、まず海氷に穴をあけなければならないこと。さらに釣りだけならまだしも、無脊椎動物を採集するためにはトラップを仕掛ける必要があります。