第3回 パーソナリティも遺伝で決まる?

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 安藤さんの研究によれば、新奇性追求、損害回避、報酬依存に遺伝が寄与する割合は、それぞれ、34パーセント、41パーセント、44パーセントだ。残りの66パーセント、59パーセント、56パーセントは、環境影響によって決まる。

 この時点で、安藤さんはすでに、これまでの数人、数十人規模ではなく、国際的に通用する大規模な双子研究を走らせているわけだが、やはりその背景には1996年の「パーソナリティと遺伝子」を直接結びつける大発見が効いている。大きな予算がつくようになり、600組もの双子を対象にすることができた。

 ちなみに、双子は珍しいけれど、極端に珍しいというわけでもない。国際的に多少のばらつきはあろうとも、125人に1人くらいはいるのだそうだ。百万人超の都市なら、1万人以上(5千組以上)いても不思議ではない。

 それでも、人づてに双子600組も集めるのは至難の業だ。そこで安藤さんが取った方法はというと──

「日本の場合、結局、住民基本台帳を見ていくしかありません。北欧のスウェーデンやノルウェーは国民総背番号制なので、1万組の双子を追いかけることもできるんですが……。双子を集めてしまえば、あとは実にオーソドックスな研究法になります」

 そうか! とぼくは虚を衝かれたかのような気分になった。