夜市でのことだ。

 薄暗い電灯の下に店舗がひしめく中、甘い香りにつられてある屋台の前に立つと…そこで売られていたのは、今川焼き(地方によって大判焼き、回転焼きなどとも呼ばれますね)に似たお菓子! 「マルタバ」または「トゥラン・ブラン」(明るい月の意味)という名前のお菓子だそうだ。

 お店の人は、今川焼きよりかなり直径が大きな丸い型に生地を流し込んで、表面がこんがりきつね色になるまで焼いていく。トッピングにはピーナッツ、チョコレート、バナナ、チーズがあって好きな組み合わせができる。「じゃ、ピーナッツとチョコレート」とリクエストしたら、「チーズは入れなきゃダメだよ! 絶対に美味しいから」とお店のお兄さん。チョコレートにチーズですか? 日本では見ない組み合わせだよなぁ。強力に勧めるので、それでは、とチーズを追加した。

 生地が焼けたら型からはずし、熱々のうちに素早くバターを塗って、シュレッド状のチーズや、ピーナッツ、チョコレートを振りかけていく。そして最後にたっぷり回しかけたのは、甘い練乳! 昼間のおかゆデザートで、「バリのおやつは甘くないのかも」と思っていたのだけれど、やはり一筋縄ではいきません。

左:インドネシア版今川焼き、マルタバの屋台。手前に並んでいるのはトッピング。その後ろにある丸い鉄板に生地を流し入れて焼く。右:焼き上がったら、型から生地をはずして、トッピングをする。ちなみにバナナだけは焼いている途中で生地に載せていました

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