第8回 田邊優貴子「南極で湖に潜ります」

私がこれから調査する予定のエリア。水色は海、黒く塗りつぶしたのが露岩域。(写真クリックで拡大)

 南極大陸の縁辺には、氷床に覆われていない、岩(岩盤)がむき出しになったエリアがあります。露岩域と呼ばれるエリアです。面積にして大陸のわずか2~3%ほどで、そこは大陸の中で生物が生息できる限られた場所になっています。
 2~3%と言っても、南極大陸の大きさからすると結構広いかもしれませんね(編者注:南極大陸の2~3%は30万~40万平方km。日本の面積が38万平方kmほど)。

 私たち陸上生物調査パーティーは基本的に3名で、昭和基地から南に約50km離れた「スカルブスネス」という露岩域に滞在します。昭和基地の南側に広がる宗谷海岸の中では最も広い露岩域です。

 3名というのは、私のほかに、島根大学の秋吉英雄さん(妻と大学生の娘2人をもつお茶目な56歳、専門は魚類の内臓進化学)、東京大学の院生である堀誠くん(少し寡黙で食べ盛りの25歳、南極湖沼をテーマに研究中)。そこに最初の10日間ほどフィールドマネージャの奈良亘さん(永遠の少年のような38歳、普段は北海道で山岳ガイド)が加わります。