第3回 空はいちばん身近な大自然

 気象学を知ったのは良い出会いでしたよ。地図と同じように天気図を眺めるのは楽しい。天気図は、観測値や予想値などのデータが淡々と並べられているだけですが、「明日は晴れるよ」「天気、悪くなるよ」「こっちから風が吹くよ」と、いろいろなことを語りますからね。地図と同じく、見ていて飽きない。

 それに日本の空はおもしろいですよ。

――日本の空のおもしろさとは?

 わかりやすいのは、冬の太平洋側の晴天と日本海側の大雪。上越新幹線で、関東平野から1時間も走ると、山の向こうは2メートル、3メートルの積雪です。風景ががらりと変わる。山を挟んで、これほど気象に違いがあるのは、世界的に見ても珍しいんじゃないかな。

 狭い国土なのに複雑な地形を持っているから、土地による気象の違いが大きい。それだけ予報しにくいということなのですが、逆に交通が便利だから、いろいろな気候の違いを風景として楽しめるおもしろさがあります。

 東海道新幹線でも、東京を出て静岡あたりは、見るからに温暖な風景でしょう。それが関ケ原あたりになると、冬は雪が降っていたりする。局地的に見ても、小田原と熱海の間では、北西の風が強いときなど、大雪が降ることがあるんです。

 そういう「空を見る楽しさ」を多くの人に知ってほしいと思っています。