特集ダイジェスト

夢を賭けた入植者たちの不屈の精神は、時代を超えて米西部モンタナの地に息づいている。

 「未開の草原を開拓し、作物を育てて5年間定住すれば、その土地が自分のものになる!」――1862年にできた法律が、人々の夢をかきたてた。そして、わずかな希望を頼りに一世一代の賭けに出た開拓者たちは、米国西部の未開地へとやってきた。『大草原の小さな家』の一家と同じ時代のできごとだ。
 なかでもモンタナ州北部の「ハイライン」と呼ばれる一帯は平坦な未開地が広がり、半乾燥気候のため周期的に干ばつが襲う、荒涼とした土地だった。農業向きとは言い難いこの地で、干ばつのほかにも、作物の病気、トラクターの故障、収穫期に襲う雹(ひょう)やイナゴなど、数え上げればきりがない“敵”と闘いながら過酷な運命に耐え、ただひたすらに土地を守り、農業を営んできた人々がいた。その不屈の精神と土地は今も、新たな世代へと受け継がれている。西部を愛する写真家と筆者が、時代を超えてモンタナの地に息づく心を伝える。

編集者から

 「農業はまるで戦争みたいなものだ」。76歳の老人が語るこの言葉が強く印象に残った。“入植キャンペーン”の宣伝文句に半ばだまされてやってきたとはいえ、土地や気候の条件が厳しいモンタナで、皆、よく今まで生活を営んできたものだと、素直に感心する。しかも入植者のなかには独身や未亡人の女性もいたという。日本では最近女性が強くなってきたという風潮があるが、果たしてモンタナのような荒地に独りで乗り込んで人生を切り開くなんてことができるだろうか。時代も文化も違うとはいえ、実にたくましい。一体どうやったら、何年も干ばつが続くような土地で、農業をやって暮らしていけるのだろうと不思議に思うが、その秘訣はたしかに「根性」しかないかもしれない。(編集M.N)

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