―― 一卵性双生児は個人としての人格を発達させるのが難しいのでしょうか?

 自分と瓜二つの人間と一緒に成長するというのは、とても珍しい状況です。私はつねづね、双子は二つの特性を備えていると考えてきました。一つは二人に共通する特性、もう一つはそれぞれが独自に持っている特性です。教育関係者の中には、双子は学校のクラスを別にしないと自己を確立できないと思い込んでいる人が少なくありません。しかしケース・バイ・ケースで対処する必要があります。クラスを分けることが効果的な場合もあれば、逆にうまくいかない場合もあるんです。

――双子を持つ親ならではの苦労はありますか?

 子供というのはちょっとしたえこひいきにも敏感ですから、二人を公平に扱わなくてはならない点は非常に大変です。しかし育てやすい面もあります。双子は、生まれた時から遊び相手がいますからね。もちろん、同じ年の子供を二人育てるには経済的な負担がかかりますし、子供たちがいっぺんに自立したとき、親が生きがいを失い、精神的に不安定になってしまう恐れもありますが。

――双子がテレパシーのような超感覚的なつながりを持っているという話を聞いたことはありますか?

 私自身は、そうした事例を見たことはありません。2002年にフィンランドで、自転車に乗っていた一卵性双生児の兄弟が心臓発作で同時に亡くなりました。これを、二人の間である種の特別なコミュニケーションが生じたのだと考える人々もいるようです。しかし私は、このケースは二人の身体および健康面における特徴が非常に似通っていたことを示すものだと考えています。双子の中には、遠方にいる相手が困っているのを感じたと話す人もいますよ。でも一日に20回も相手のことを心配していれば、そのうち1回は相手が本当に助けを必要としていたとしても、不思議はないんじゃないでしょうか。それはテレパシーなどではありません。

――双子が異なる性的指向を持つことはあるのでしょうか?

 もちろんあります。一卵性双生児が同性愛者である確率は、他の人の場合とほぼ同じです。しかし双子の一人が同性愛者の場合、もう一人もそうである確率は高くなります。さらに興味深いのは、一卵性双生児の一人が性転換手術を受けた場合です。私が調査した一卵性双生児の姉妹のケースでは、一人が性転換手術を受けて男性になってからも、もう一人は女性のままでした。どうしてそうなったのか、はっきりとした理由は分からないのですが、おそらく胎児のときに受けたホルモンの影響の違いによるものだと考えられます。