第6回 田邊優貴子「知床ではないのだ」

しらせが流氷域に突入した瞬間。ちょうど晴れ間が広がった。(写真クリックで拡大)

 12月14日、16時58分。

 それはちょうど33歳を迎えた翌日の、もうすぐ夕食というところ。
 ついにしらせは流氷域に入りました。

 外に出ると、久しぶりに見る青空と明るい太陽が目に飛び込んできて、一気にテンションが上がったのでした。
 しかし、目の前の流氷はまだ小さく、冬の知床と区別がつかないくらいです。


 11月30日にフリーマントルを出航してから16日間。その間に、晴れ空が見えたのはたったの3日でしょうか。
 とにかくずっと悪天が続いていたのです。

 さらに、12月7日に進路を西へ取り始めてからというもの、南下していたときと違い、飛んでいる海鳥の種もほとんど変わらなければ、さほど景色も変わらない。暴風が吹き荒れ、どんよりした風景の中、波しぶきを大きく上げながら、しらせは単調な航海を続けていました。

暴風圏を西進するしらせ。(写真クリックで拡大)