第1回 かわいい。けど、地上最強?

 クマムシは知る人ぞ知る人気動物で、「かわいいけど地上最強の生物!」というイメージが流布しているようだ。特に、乾燥に強く、体から水分が失われても「乾眠」という状態で何年も耐えることができるのは「有名」だ。

 徐々に乾燥し、体が縮こまり樽型と呼ばれる形状になっていく様子、そして、水を与えられ「復活」する様子は、何度見ても驚きを禁じ得ない。なにはともあれ、それらの様子をまとめた動画を見てほしい。

 

クマムシが乾燥して樽型になり、水を得てふたたび復活するまで。(動画提供:堀川大樹)

乾眠状態のヨコヅナクマムシ(タマゴ)の電子顕微鏡写真。(撮影:堀川大樹・田中大介)
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 樽型になった状態は、およそ動物には見えない。

 水分を失って徐々に「樽」に近づいていく様子、さらに、ただの小さな「樽」から「動物」へと復帰する際のもぞもぞとした動きは絶妙である。「クマムシ最強、ブラボー」とぼくは叫びたい。

 とひとりで盛り上がっても(また、思いを同じくする人がかなりいたとしても)、いきなりこの動画を見ただけの人にとっては、やはり、頭の中は疑問符だらけだろう。最強って、何? と。

 実際、いかにぼくのまわりの世界で多少「有名」であっても、日本の中で「知っている人」の割合はまだ少ないはずだ。

 そこで、順を追って、クマムシについて、説明すると──