第3話  JAMSTECへの道 後編

その3  この研究を深海熱水でやりたい!!

「えーとデスね、いま、ボクは人生の重大な選択に際してデスね、かなり重要なご相談を申し上げているわけでして、そのデスね、ネコの子供をもらってくれと頼んでいるわけではなく、ええ、大の人間を雇えと申し上げているワケですが・・・・・・。ホントだな? その言葉に二言はねえな?」

そう言いたかったが、あまりの驚きに言葉が返せなかった。

その日は、なにかよく分からないまま、ボーッとした感じのままだったが、次の日はもっとびっくりする事態になっていた。

カトーさんが学会に参加している他の日本人研究者を連れてきて、「ハハッ、紹介します。来年からウチにくる予定のタカイ君です」なんて言うのだ。ボクは再び、開いた口がふさがらなかった。えっ、嘘。いつ決まったの?

ボクは事態の進みについていけなかった。ホントなの? ホントに来年からJAMSTECに行くの? こんな軽いモノなの? カトーさんって妄想癖ないよね?

さらに、カトーさんは畳みかけてきた。「タカイ君。来年からウチに来るなら、やっぱり大ボスの掘越(弘毅)先生に挨拶しないとね。今日、掘越先生がアトランタに着くから一緒に空港に迎えに行こうよ。クルマ出せや」