第3話  JAMSTECへの道 後編

その3  この研究を深海熱水でやりたい!!

そして最後の最後に、「まあこういう新しい研究ができるのは、日本の若者の中でも、深海熱水の研究をワシントン大学でもやっていたボクぐらいしかいないと思いますよ(嘘)。JAMSTECでボクを雇いませんか? ボクにぜひこの研究をやらして下さい!!!」とハッタリを吹いてみた。

本当の事を言うと、クリスタ・シュレパーのポスターを見るまでは、JAMSTECは、将来の「職」として、ボクの希望先ではなかったんだ。すごい研究機関だとは思っていたけど・・・、アメリカ留学中にはチラッといいなあと思ったのも事実だけども・・・、やっぱり、ちょっとJAMSTECに対しては「設備は超一流。研究は二流」(すみません。当時のボクの偽らざる気持ち)という思いが強くて、「ヘッ、ナメンなよ!」と思っていたんだ。

でも、本気で「分子生態学的手法による深海熱水微生物多様性研究」をやりたいなら、当時は、日本ではJAMSTECでしかできない研究だった。そして瞬間的に、思いっきり「自分を売り込んでしまった」のだ。

「ふーん、じゃあ来年から来なよ。やればいいじゃん。ハハッ」

恐ろしく軽い返事が返ってきて、ボクはびっくりしてしまった。