第3話  JAMSTECへの道 後編

その3  この研究を深海熱水でやりたい!!

いつの間にか隣にいた日本人研究者が、ボクに話しかけてきた。「こういう研究って、やけに盛り上がってるねー。で、実際どうなの? ハハッ」。やたらと軽い調子の問いかけだった。

「オレのなかでも、今まさに、分かりはじめたマイレボリューションなんだよ! どうなの?って、知るか!」と思いながら見ると、その人は、ボクの「あの暑い夏の日の思い出」、初JAMSTEC紀行(第2話参照)の時見た、JAMSTECのカトーさんだった。

カトーさんはJAMSTECの好圧微生物の研究でブイブイ言わしている人だった。物凄く親しみやすい人なんだけど、結構、「日本ではJAMSTECが一番よ、そらそうよ」風を吹かしていたイメージがあったので、ボクは「ヘッ、ナメンなよ!」と思っていた人だった。

でもこの国際学会では前に感じたような「見くだし感」がなくて、親しみを感じていた。そして、カトーさんが話しかけてくる直前に、まさにボクは「そうだ、分子生態学的手法による深海熱水微生物多様性研究をやろう!」と盛り上がっていたところだったのだ。

ボクはカトーさんに、ついさっき思いついたばかりの研究アイデアを、まるで長年温めてきた「秘策のアイデア」のように、熱く熱く、語った。