第3回 渡辺佑基「空の王者」登場

「しらせ」はオーストラリアのフリーマントル港を出て以降、東経110度のラインにピタリと沿って真南に航行している。地球を縦に進むということは、季節が早回しに巡ってくるのと同じである。船内はほぼ一定の快適な温度に保たれているものの、船外の気温はあれよあれよという間に下がっていく。出港時は照りつける太陽光が暑かったが、翌日には涼しい風が吹き、その翌日にはひんやりと肌寒くなり、きょう5日目にしてセーターが要るようになった。あと数日のうちに身を切るような風の吹く猛烈な寒さがやってくる。

 気温が変われば生物相が変わる。船上から見られる鳥の種類が変わる。出港時に見られたカモメが翌日にはミズナギドリに取って代わられ、さらにここ2日でアホウドリが加わった。アホウドリは種でいうならハイイロアホウドリ、ハイガシラアホウドリ、マユグロアホウドリ、そして、ワタリアホウドリ。

ハイガシラアホウドリ。(撮影:渡辺佑基/協力:ニコンイメージングジャパン)
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ハイイロアホウドリ。(撮影:渡辺佑基/協力:ニコンイメージングジャパン)
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