第3回 南インドのハッピーオーラ

――まるでタイムマシンの旅ですね。

 そうなんです。歴史の年表をそのまま旅しているみたい。

 ワハーンでは「昔の人はこんな生活をしていました」という、博物館に展示されているような道具を使う生活をしているんです。
 本当にタイムスリップしている感じ。

――じゃ、東京に戻ってきたときは浦島太郎だ。ずいぶんギャップを感じたでしょう。

 時間感覚がおかしくなりましたね。
 人のいない高いところ、悠久の時が流れているというような世界から、人がたくさんいる下界へ戻ってくるわけですから。

 都会だと、じっとしていても景色がものすごいスピードで流れていくでしょう。それがめまぐるしくて息苦しくて、感覚が戻るのに1週間くらいかかりました。

――街を歩くのが怖くなかったですか。すごい密度とスピードで人が動いているから。

 高山地帯を旅すると、ずっと高地トレーニングをしているようなものなので、戻ってきてからは地上から体が何センチか浮いているような感覚になりました。
 1週間くらい、そんなナチュラルハイのような状態を楽しみましたね。

 こんなめまぐるしい街のなかにいたら、自然からのメッセージを拾えるわけがないなとも思いました。