第3話  JAMSTECへの道 後編

その2  ヌルすぎるぞ、オマエら!--反抗期の博士課程

「あの忌々しいクソ田舎街、クルマがなければ食事すら、にっちもさっちもいくまいのー。ワシもクルマがないばかりに恐ろしい目にあったんじゃ。ここはワシがレンタカーなぞ用意して、迷えるジャパニーズ研究権力者どもの従順なアッシー君と化せば、ただメシにありつけるだけではなく、将来のキャリアパスの取引の保険ぐらいにはなるじゃろうて。ゲフゲフ」

黒い・・・。なんて黒いんだ・・・、26歳のボク。もちろん、これは本当のボクじゃない。おもしろおかしく脚色しただけなんだ。

そんな黒い野望を秘めて、ボクは世紀末覇者ラオウばりのノムラ君といっしょにアメリカに旅立った。

つづく(次回、高井研の腹黒“木下藤吉郎”作戦、決行!)

高井 研

高井 研(たかい けん)

1969年京都府生まれ。京都大学農学部の水産学科で微生物の研究を始め、1997年に海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者に。現在は、同機構、深海・地殻内生物圏研究プログラムのディレクターおよび、プレカンブリアンエコシステムラボラトリーユニットリーダー。2012年9月よりJAXA宇宙科学研究所客員教授を兼任。著書に『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』(幻冬舎新書)など。本誌2011年2月号「人物ファイル」にも登場した。