初めての沢登りの当日。早起きして集合し、電車を乗り継いで、両神山のふもとへ。
 先輩たちから、滑り止めのついた専用の靴やザック、ヘルメットなどの道具を貸してもらって、準備万端。

 地図だけを頼りに目指す沢を見つけ、入山口などの標識も何もないところから、いきなり山のなかへ分け入っていきます。

 沢登りというのは日本独特の山登りの方法で、山肌に流れる沢のひとつを選び、それを遡っていくことで山頂を目指すのです。

 ヘルメットをかぶり、探検隊みたいな格好をして意気揚々と歩き始めたものの、もともと体力に自信があるわけでもない上、浪人生活でなまっていた体はすぐに悲鳴を上げました。

 何時間も歩き続けるということ自体、未経験なものにとっては疲れるものですが、沢沿いは石だらけで、時には大きな岩もでてきて、一定のペースや歩幅で歩けるわけではありません。

 しかも、滑りやすいので一歩一歩、足をくじかないように神経を使います。背中の荷物はたいして重くないのですが、時間が経つにつれ、徐々に、肩や足に負担がかかってきます。

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