第5回 オオサンショウウオの未来を守れ

「日中国交回復したのが1972年でしょう。中国では養殖しているのは食べていいから、ある業者が1トン単位で買い付けて、あちこちで商談をまとめて。賀茂川沿いの料亭で出していたのをマスコミがけしからんといって批判したので、こっそり川に捨てたんじゃないか、とかね。いろいろ説はあります」

 今、京都大学の両生類研究者、松井正文教授が中心になって、この問題に取り組んでいるそうなのだが、見つけた雑種があまりに多く、野放しにしておくわけにもいかず、結局、日本ハンザキ研究所で預かることになったのだそうだ。

 ちなみに現在飼育しているのは、「165頭ひく15頭」。

「ひく15」は到着時に死亡していた1頭と、闘争で傷を負って死んだもの。

 それにしても、165頭! チュウゴクオオサンショウウオ自体、日本では迷惑な移入種であるのに、原産地の中国では絶滅危惧種である、という悩ましい、しかし、自然保護の分野ではよく見かける構図も浮かび上がる。

 栃本さんは、さらに気になることを述べた。

「1972年がはじまりだとすると、まだ40年たってないですよね。でも、ここに入ってるやつだけで、2頭も130センチのハイブリッドがおるんですよ――」

 日本のオオサンショウウオで130センチというと、100年を超える年齢を想像するわけだが……。つまり、雑種の成長が異様に速いのか、もっと前から中国産が輸入され何かの拍子に川に放流されていたのか、どちらかというわけだ。

 謎は多い。