第4回 「謎の首切り死体事件」の犯人は?

「実は、メスの首切り死体も何個体か出まして、こりゃ、どうしたことかって。よほど間が悪くてやられちゃったのかな、とか思ってるけど、まあ、今は分かんない。こういうのは、次の世代にバトンタッチして、これからいろんな場面を見ながら、こういう理由なんじゃないかと分かってくればいいわけですよ。うん」

 一方、田口さんのアプローチは、少々違う部分がある。たとえば、栃本さんが紹介してくれた、田口さんの研究。

「彼が、大学院生のときに、1週間徹夜で調査をしたわけですよ。夕方の6時から朝の6時まで、2時間ごとに区間を切って同じ場所を歩いて観察。時間と体力とあるわけで、そんなことできるんだよ。ぼくがやったら、死んじゃう」

 時間と体力があったのはまぎれもなく事実なのだが、ぼくはむしろ、オオサンショウウオの研究が、博物学的な記述の段階から、今風の「フィールドの生物学」へと移りつつあると感じた。というのも、田口さんの研究は、条件を揃えて、数を揃えて、ある程度、統計性がでるところに落とし込まれているからだ。

 田口さんに語ってもらうと、こんなふう。