第4回 「謎の首切り死体事件」の犯人は?

 実はハンザキ研究所には、所長である栃本さん以外に、フルタイムの職員はいない。研究員である田口さんも、別に仕事を持ちつつ、休日の夜などに調査を続けている。NPO法人としての理事会には、田口さんよりも上の世代の研究者に副理事長として入ってもらう。世代交代への準備は盤石のようだ。

 その上で、話を聞いていると、研究を始めた初代である栃本さんと、田口さんのような年少の研究者との間に、ある種のギャップが感じられておもしろい。

 しいていえば、博物学者・栃本さんと、サイエンティスト・田口さん、といったふうか。

 栃本さんは、常にひとつひとつの「観察」の重視を口にする(田口さんが、観察を軽視しているわけではない。念のため)。

 例えば、オス同士の闘争で、首をちぎられて死んでしまう事例についても、最初は「謎の首切り死体事件」という「一観察」だったそうだ。