「運が違うんじゃないですかね」と栃本さんはあっさり言った。

 ここで隣で話を聞いていた研究員の田口勇輝さんがツッコミを入れる。

「いや、実力もあるんとちがいますか。いい巣穴を押さえて、いい狩り場に出て──」

 ひとしきり、運か実力かという楽しい議論をした後で、栃本さんの総括。

「一番大きい要因はやっぱり、鼻先に餌が来てくれなきゃいかんわけだし。ええっと、例えば、全長40センチだったやつが、3カ月後に同じマイクロチップの反応が出て全長80センチだったと。何だと思います?」

 何年も成長しないと思えば、40センチメートルの個体がわずか3ヵ月で倍の全長に成長する? ちょっと考えにくいが、実際に観察された実話だという。

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