第3回 オオサンショウウオの知られざる生態

 これについては、栃本さん自身の口で語ってもらった方がいい。

 質問をすると、栃本さんは「いや、それがね」とかぶりを振った。

「100年以上は生きるんだと思うけど、はっきりとしたことはまだ言えない。ぼくはもう後何年かやれたとしても調査期間トータルで40年でしょう。人間1代で40年やると、2代で80年、3代で120年、4代から5代かけなきゃ駄目なんじゃないかな。まあ、ハンザキ研で孵化した幼生がある程度大きくなったら、マイクロチップを入れて放して追跡調査して、この川の環境で10年で何センチぐらいになるっていう、平均的な数値なら出てきますわ――」

 なんと、素朴な質問に答えるのは、長寿の生き物ゆえ、なかなか難しいのだ。

「ここで調査をしているのをみても、80センチで何年も全然成長してないやつがいる。時々、測定の誤差かもしれないけど、縮むやつもいるし」

 80センチメートルから大きくならない? おまけに、縮むやつがいる??

 じゃあ、1メートルを超えるような個体は何が違うんだろう。