兵庫県朝来市生野町、市川上流の渓流を歩く。それも夜、大きなライトを手にし、胴長を着た重装備である。
先導するのは日本ハンザキ研究所の研究員、田口勇輝さんで、片手にライト、もう一方の腕では雨樋のような器具と大きなたも網を脇に挟んでいる。
ライトで、水面下を照らしては、河床の陰影の間に、ある生き物の姿を探す。
ぼくが持っているライトでは、水面下でゆらゆら漂いまどろんでいるらしいカワムツやアマゴ、水底にへばりつくカワヨシノボリなどが見えた。
やがて、田口さんが岩の下に何かを見つけたようで、たも網をぐいっと差し込んだ。
何度か角度を変えて、岩の底をさぐり、ゆっくりと網を持ち上げた。
「いましたよ」とさりげなく言う。
中には、重量感のある生き物が、捕らえられていた。
オオサンショウウオだ。
(動画撮影:川端裕人)
※文化庁の許可を得て調査しています。