第3話  JAMSTECへの道 後編

その1  「覚悟」こそ「青春を賭けること」

もちろんワタクシ、それがダメだというつもりは毛頭ないです。どんどん、この世界に足を踏み入れて欲しいと思っています。

前述のノムラ君の名言のような、やや時代錯誤的な「覚悟」がなければ博士課程に進学できないし、職業的研究者にもなれない、大学の先生にもなれない。そんな「ガチムチ」の世界だったら楽しくないし、かなり将来が不安になります。人間の文化・芸術活動としての「科学」の美しさや広がり、奥深さ、あるいは科学技術をどのように人間社会に役立てることができるかというような創造性やしなやかな応用力や発想の柔軟性など、「断固たる決意」だけでなく「心と思考のヨユウ」というモノも必要だとも思います。

ただ、若かりしワタクシのような覚悟を決めた情熱人生ギャンブラー系や研究一直線系ワカモノがワラワラ蠢く世界に足を踏み入れた、という自覚は必要でしょう、ズバリそうでしょう、とも思うのです。

ワタクシが生まれた年に製作された「明日に向かって撃て!」という古いアメリカ映画があります。ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード演じる愛すべき西部の荒くれ者の生き方を描いた作品ですが、彼らは、フロンティア開拓時代が移り変わろうとも、自分たちの生き方しかできない不器用な男達でした。最後は、その不器用さで美しく散っていく。機会があればぜひ一度観て欲しい映画です。