第3話  JAMSTECへの道 後編

その1  「覚悟」こそ「青春を賭けること」

ワタクシの1学年後輩のノムラ君なぞ、「研究がうまくいかなくて外国のスラム街の片隅で野垂れ死んでも、我が生涯に一片の悔いなし!!!」と「北斗神拳の世紀末覇者ラオウ」ばりの名言を大学4年生の研究室配属時点で残しておりました。つまりワタクシも含めて、「成功も失敗もすべて自己責任よ。だから自分の好きなようにやるし、グダグダ指図は受けないぜ」というややはた迷惑な考え方の人間が多かった気がします。

しかし1990年代の末から日本の科学社会では、「科学技術立国にむけた博士課程大学院生増加」や「ポスドク一万人計画」というような国策が進められ、現在も同じような傾向が続いています。実際、博士課程大学院生やポスドクと呼ばれる任期制研究者の数が大きく増加しました。

しかし、そのキャリアの先にある、大学や公的研究機関のポストの数は、大学院生やポスドクの増加に見合うだけ増えたわけではないのです。もちろん他にも問題点は多いのですが、これが「若手研究者キャリアパス問題」の本質の一つです。

この問題は、もちろんワタクシのようなノーテンキな研究者が「我が秘策をもって解決」というような簡単なモノではないのですが、制度上の大きな問題点としては、「企業も含めた研究社会全体における職の流動性をいかに確保するか」というところが指摘されています。